「お客さん、着きましたよ。ここでいいですか?」
「あ、はい。ですが少し待ってください」
伊織は一旦考えるのを止めて美紅に尋ねる。
「急いでいたから思わず俺のマンションの住所を言ってしまったけど、君はどこに帰るの?送っていくよ。お屋敷?それともこの間と同じマンション?」
美紅はその問いには答えず、窓の外を見ながら驚いたように言う。
「まあ!ここが本堂様のお住まいなのですか?なんて素敵……。森に囲まれた別荘のようですわね。少し歩いてみても構いませんか?」
「は?ああ、いいけど……」
面食らう伊織を尻目に、美紅はタクシーを降りて歩き出す。
伊織は支払いを済ませて急いであとを追った。
「敷地の広い邸宅のようですが、マンションなのですか?」
「ああ、低層レジデンスだ。隣との感覚を空けて、独立したメゾネットタイプの部屋が30戸ある」
「そうなのですね!では、バルコニーからこの森のようなお庭を眺められるのですね」
「うん。バルコニーだけではなく、1階のオープンエアリビングからも見えるよ。リビングがウッドデッキと繋がっているんだ」
「まあ、なんて素敵なの」
並んで歩きながら、美紅はうっとりと頬に手を添える。
「本堂様、あちらは?」
しばらく木々の間を歩いていると、美紅がガラス張りのラウンジを手で示した。
「あそこは、住人が予約制で使えるラウンジなんだ。滅多に使われないけど、貸し切りでホームパーティーなんかも出来る。カウンターやキッチン、それから、そう!ピアノもあるよ」
「そうなのですね」
「行ってみる?」
「よろしいのですか?是非!」
伊織は頷くと、マスターキーでラウンジの鍵を開けて美紅を中に促した。
「あ、はい。ですが少し待ってください」
伊織は一旦考えるのを止めて美紅に尋ねる。
「急いでいたから思わず俺のマンションの住所を言ってしまったけど、君はどこに帰るの?送っていくよ。お屋敷?それともこの間と同じマンション?」
美紅はその問いには答えず、窓の外を見ながら驚いたように言う。
「まあ!ここが本堂様のお住まいなのですか?なんて素敵……。森に囲まれた別荘のようですわね。少し歩いてみても構いませんか?」
「は?ああ、いいけど……」
面食らう伊織を尻目に、美紅はタクシーを降りて歩き出す。
伊織は支払いを済ませて急いであとを追った。
「敷地の広い邸宅のようですが、マンションなのですか?」
「ああ、低層レジデンスだ。隣との感覚を空けて、独立したメゾネットタイプの部屋が30戸ある」
「そうなのですね!では、バルコニーからこの森のようなお庭を眺められるのですね」
「うん。バルコニーだけではなく、1階のオープンエアリビングからも見えるよ。リビングがウッドデッキと繋がっているんだ」
「まあ、なんて素敵なの」
並んで歩きながら、美紅はうっとりと頬に手を添える。
「本堂様、あちらは?」
しばらく木々の間を歩いていると、美紅がガラス張りのラウンジを手で示した。
「あそこは、住人が予約制で使えるラウンジなんだ。滅多に使われないけど、貸し切りでホームパーティーなんかも出来る。カウンターやキッチン、それから、そう!ピアノもあるよ」
「そうなのですね」
「行ってみる?」
「よろしいのですか?是非!」
伊織は頷くと、マスターキーでラウンジの鍵を開けて美紅を中に促した。



