「では、こちらのドレスをセミオーダーで。ティアラやアクセサリーも、このドレスに合うデザインをオーダーしたい」
「かしこまりました」
伊織とスタッフのやり取りに、美紅は慌てて割って入る。
「ちょっと待ってください、伊織さん。ドレスもアクセサリーも、レンタルで充分です」
「小笠原家の令嬢をお嫁にもらうのに、これくらいは当然だ」
「そんな……。それにたったの数時間しか着ないのにもったいないです」
するとスタッフが、控えめに口を開く。
「お嬢様、それでしたらリメイクされてはいかがですか?」
「リメイク、ですか?ドレスを?」
「ええ。普段使いのドレスに変えたり、お子様のセレモニードレスも作れます。ポーチやアクセサリーボックス、アルバムカバーなどにも出来ますよ」
「まあ、それは素敵。いつまでもウェディングドレスの思い出を大切に感じられますね」
伊織は「決まりだな」と頷いて、更にスタッフと話を進める。
「美紅、どんなティアラがいい?アクセサリーは?」
ふと顔を上げて尋ねる伊織に、美紅はぶんぶんと首を横に振る。
「そ、そんな。私の希望なんて何も」
「そんなこと言わずに、カタログ見てみて」
「いえ、あの。では一番シンプルで控えめなものを……」
「は?まったくもう……」
伊織は仕方なくスタッフの女性と話し合う。
スタッフは何度もドレス姿の美紅とカタログを見ながら、伊織に提案した。
「それでは、ティアラはこの形のものに高さをもう少し出しましょう。スワロフスキーではなくダイヤモンドをちりばめて。イヤリングとネックレスは、ティアラと同じモチーフでお作りしましょうか?」
「ああ、そうだな。ドレスをリメイクするなら、ティアラとアクセサリーはそのままの形で残しておきたい」
「かしこまりました」
美紅の衣装に関しては散々こだわったのに、伊織は自分の衣装となると、あっさりとスタッフが薦めた1着に決めた。
スタッフが細かく二人の採寸をして、ようやく衣装の打ち合わせは終わった。
「突然訪ねてきて申し訳なかった」
「いいえ。副社長のご婚礼衣装を選ばせて頂くなんて、とても光栄でした。お嬢様のドレス姿も本当にお美しくて。幸せのおすそ分けを頂いた気分です」
扉の前で見送ってくれるスタッフは、にこやかにそう言って二人に笑いかけた。
「長時間おつき合いくださって、ありがとうございました」
美紅も頭を下げて礼を言う。
「こちらこそ。お嬢様、ドレスが仕上がりましたら、またご試着にお越しくださいませ。お待ちしております」
「はい、よろしくお願い致します」
思いがけず急遽衣装を決める流れになったが、素敵なドレスやアクセサリーを試着出来て、美紅はなんだか夢見心地のままスタッフと別れた。
「かしこまりました」
伊織とスタッフのやり取りに、美紅は慌てて割って入る。
「ちょっと待ってください、伊織さん。ドレスもアクセサリーも、レンタルで充分です」
「小笠原家の令嬢をお嫁にもらうのに、これくらいは当然だ」
「そんな……。それにたったの数時間しか着ないのにもったいないです」
するとスタッフが、控えめに口を開く。
「お嬢様、それでしたらリメイクされてはいかがですか?」
「リメイク、ですか?ドレスを?」
「ええ。普段使いのドレスに変えたり、お子様のセレモニードレスも作れます。ポーチやアクセサリーボックス、アルバムカバーなどにも出来ますよ」
「まあ、それは素敵。いつまでもウェディングドレスの思い出を大切に感じられますね」
伊織は「決まりだな」と頷いて、更にスタッフと話を進める。
「美紅、どんなティアラがいい?アクセサリーは?」
ふと顔を上げて尋ねる伊織に、美紅はぶんぶんと首を横に振る。
「そ、そんな。私の希望なんて何も」
「そんなこと言わずに、カタログ見てみて」
「いえ、あの。では一番シンプルで控えめなものを……」
「は?まったくもう……」
伊織は仕方なくスタッフの女性と話し合う。
スタッフは何度もドレス姿の美紅とカタログを見ながら、伊織に提案した。
「それでは、ティアラはこの形のものに高さをもう少し出しましょう。スワロフスキーではなくダイヤモンドをちりばめて。イヤリングとネックレスは、ティアラと同じモチーフでお作りしましょうか?」
「ああ、そうだな。ドレスをリメイクするなら、ティアラとアクセサリーはそのままの形で残しておきたい」
「かしこまりました」
美紅の衣装に関しては散々こだわったのに、伊織は自分の衣装となると、あっさりとスタッフが薦めた1着に決めた。
スタッフが細かく二人の採寸をして、ようやく衣装の打ち合わせは終わった。
「突然訪ねてきて申し訳なかった」
「いいえ。副社長のご婚礼衣装を選ばせて頂くなんて、とても光栄でした。お嬢様のドレス姿も本当にお美しくて。幸せのおすそ分けを頂いた気分です」
扉の前で見送ってくれるスタッフは、にこやかにそう言って二人に笑いかけた。
「長時間おつき合いくださって、ありがとうございました」
美紅も頭を下げて礼を言う。
「こちらこそ。お嬢様、ドレスが仕上がりましたら、またご試着にお越しくださいませ。お待ちしております」
「はい、よろしくお願い致します」
思いがけず急遽衣装を決める流れになったが、素敵なドレスやアクセサリーを試着出来て、美紅はなんだか夢見心地のままスタッフと別れた。



