紅色に染まる頃

「美紅?」

部屋の露天風呂を堪能した伊織がリビングに戻ると、先に風呂を済ませていた美紅がソファでうたた寝をしていた。

「美紅、こんなところで寝たら風邪を引くよ」
「う……ん」

声をかけるが、美紅のまぶたは重いままだ。

伊織は美紅を抱き上げると、洋室に運んでベッドに寝かせた。

すう……と安心したように眠りに落ちる美紅に微笑んで、伊織は愛おしそうに頭を撫でる。

こんなふうに今、美紅と一緒にいられることが、幸せでたまらない。

(これから先も、もっともっと美紅と一緒に時間を過ごしたい。ずっと大切に美紅の笑顔を守っていく)

心に誓い、眠っている美紅に優しくキスをする。

すると美紅がゆっくり目を開けた。
ぼんやりとした眼差しで伊織を見つめると、伊織さん……と優しく微笑んでささやく。

「美紅……」

伊織は愛おしさで胸をいっぱいにさせながら、そっと美紅に顔を寄せていく。