私に色をくれたのは君でした

恋愛(ピュア)

東 鈴美/著
私に色をくれたのは君でした
作品番号
1710739
最終更新
2023/11/12
総文字数
0
ページ数
0ページ
ステータス
未完結
PV数
0
いいね数
0
ある雨の日に私は夕闇の中を歩いていた。
傘に雨粒が当たる演奏を聴きながら、下校していた。
そう、今日は試験返しの日だったのだ。雨が降っているのもあってより体が重い。趣味も友達も愛する恋人も居ない私にとって、こんな時に気分を晴らす方法がないのだ。高校ももう3年生にもなり進路のこととかあるけれど、考えたくない。正直、自分でもどうしていいのか分からない。
学校の成績も伸びなくて進路も決まらない、親からの干渉ももううんざりだ。
今の私はちゃんと笑えてるのだろうかと考えながら自分を繕うのにもう疲れた、、。
そんなことを考えながら歩いていると
「あのさ、舞はもう進路とか考えた?」と幼なじみの優輝が話しかけてきた。
「え?あぁ、うん、考えてるよ」と曖昧に答える。
「なんか、舞って最近表情暗いけど何かあった?」と優輝。
なんか見透かされてるような気がする。
ふと昔、優輝のこと好きだったな。と思い出した。
だから、「特に何もないけど、、」と言いかけつつ優輝になら愚痴っても良いかなと思えた。
そして、「実は、まだ進路も決めてないし自分が何をしたいかも何が好きかも分からないの。」と打ち明けた。
すると、優輝は「え?俺らもう3年だし決めてないとやばくね?まぁ、俺もまだ決まってないけど。それに、俺はそんな悩んでる舞の顔好きじゃないけど」と笑いながら答える。
とても自然にそんなことを口にする彼にドキッとしている自分がいることに驚く。
私は、優輝が好きなのかもと気づいた。
そして、気がつくと「私の事、どう思ってる?」とそう口にしていた。
言わないと決めていたことを口にしてしまった、、と思ったがもう遅い。
だが、優輝は驚いた様子もなく「家族みたいなもんじゃん?俺は友達とか少ないし唯一の友達みたいな感じで昔から舞のこと好きだけど。腐れ縁ってやつ?」と笑いながら言った。

2ヶ月後、最近優輝は学校を休んでいると噂で聞いた。どうしたんだろうと思い、家を訪ねた。そして、彼の母から優輝は白血病になって今入院しているの。もう長く無いかもしれないと告げられた。
「あいつ、そんな大事なことなんで私に言わなかったの、、」と涙ぐみながら呟いた。
もう居なくなるんじゃないかと考えると辛かった。
私の楽しみ全てが思い出が消えるみたいでそんなこと思ったのは人生で初めてだった。
そして、その夜嗚咽を堪えながら眠りについた。
あらすじ
高校3年生の人生に華がないと希望が持てない舞と明るい幼なじみ優輝が繰り広げる楽しみとは何かを考えさせられる物語。

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