ドキッと舞い上がりつつ、その肉体美に目が釘づけになってしまう。けれどもすぐにそんな自分がはしたなく思えて、顔を赤らめうつむいた。
 フランのそばに到着したライズは、そのまま隣に腰を下ろす。ベッドスプリングが揺れて、ぎしりと音を立てた。
 心臓の動きが一段と激しくなり、いつ限界がくるのかと心配になってしまう。

「湯冷めしていないか?」
「だっ、大丈夫です。ちゃんと温まってきたので」

 視線をはずしたままそう答えると、彼の太腿のあたりの布地にポタッと水滴が落ちるのが見えた。ハッと顔を上げれば彼の髪はまだ濡れていて、きらりと星屑のような雫が滴り落ちている。

「ライズ様のほうこそ、風邪をお引きになったら大変です……!」

 フランはライズからタオルを受け取ると、ベッドによじ上って後方に回り、彼の髪を乾かす手伝いを買って出た。
 ありがとう、と素直に言われて、なにやら甘酸っぱいものが胸に広がる。