「これで、私の思いは伝わったか? ……言っておくが、こんなことをするのはおまえだけだ」

 胸が一段と高鳴った。期待で目がきらきらと輝いてしまう。

「わ、私だけ……? で、でも……」
「まだ不安か? 仕方のないやつだな。だがそこが可愛いところでもあるんだが……」

 念押しのように額に口づけて、彼が身を起こした。

「近いうちにもっとわからせてやるから、覚悟しておけ。盛大に、な……。それに今日は、時間切れのようだから」

(え? え? もっとって……私、なにをされるの?)

 その直後、はかったように扉がノックされ、クリムトと医務官が姿を見せる。
 怒涛のように押し寄せる質問と診察を受けながら、目まぐるしい一夜は更けていった。