サリーが気合いを入れて仕上げてくれたかいがあってか、やがて数名の貴族が入れ代わり立ち代わり、フランの元へと挨拶に訪れた。
しかし、声をかけた先がフランだとわかると、相手は決まって気まずそうな顔をして逃げていってしまう。
「皇帝陛下に召し抱えられたのに、飽きられて捨てられた王女だ……。関わらないほうがいいな」
「お情けで離宮に置いてもらっているくせに、よくこの場に顔を出せたものね……」
人の姿のままでも普通の人間より聴力が優れているフランの耳には、そんな声も届いてくる。周囲にはそのように見られているのだとわかり、気持ちが萎んでいった。
そのとき、会場の一部でワッと歓声が上がり、なにごとかと顔を上げる。盛り上がっている集団の中心には、輝くように美しいシルビア姫が立っていた。
まるで大粒の宝石のような存在感に、フランは思わず目を奪われた。
「シルビア姫だ……!」
「ぜひとも、ご挨拶を……!」
しかし、声をかけた先がフランだとわかると、相手は決まって気まずそうな顔をして逃げていってしまう。
「皇帝陛下に召し抱えられたのに、飽きられて捨てられた王女だ……。関わらないほうがいいな」
「お情けで離宮に置いてもらっているくせに、よくこの場に顔を出せたものね……」
人の姿のままでも普通の人間より聴力が優れているフランの耳には、そんな声も届いてくる。周囲にはそのように見られているのだとわかり、気持ちが萎んでいった。
そのとき、会場の一部でワッと歓声が上がり、なにごとかと顔を上げる。盛り上がっている集団の中心には、輝くように美しいシルビア姫が立っていた。
まるで大粒の宝石のような存在感に、フランは思わず目を奪われた。
「シルビア姫だ……!」
「ぜひとも、ご挨拶を……!」



