「よし、終わった」 とノートパソコンを閉じた村正は驚いたようにあやめに言う。 「おい、なんでそんなとこでやってんだ」 あやめが部屋の角っこにローテーブルを持ってって仕事をしていたからだ。 「邪魔なら俺に退くように言えよ。 お前がここの家主なんだから」 「いえ、部屋の隅が落ち着くんです、なんとなく」 と言うと、 「仕事のときは、バリバリ仕切ってそうなのにな」 と村正は笑う。 「なにか呑むか?」 立ち上がった村正にそう問われ、 あやめは、はあ、とゆるい返事をした。