ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~

「僕、急ぎの仕事も放り出して、駆けてきたのに~っ。

 何故っ?
 どうして、脇田さんっ!?」

 身振り手振りも激しく、由良は訴えてくる。

 ……由良劇場がはじまった。

 いや、本人、本気で語っているようなのだが。

 顔が可愛らしく、動きも可愛らしいので。

 あくせく働くハムスターの動画かなにかのようだ。

 つい、ぼんやり眺めてしまう。

「そいつ、止めてやれ、あやめ。
 脇田さんなら出張だぞ」
と通りかかったらしい小林が後ろから教えてくれた。

「あっ、そうなんだ?
 急いで訊きたいことがあったんだけど」

「そうなんですかっ?
 それだけですかっ?

 お仕事なんですかっ?」
と由良が勢い込んで訊いてくる。