「おはよう。 脇田さん、知らない?」 廊下で出会った由良に、あやめが開口一番、そう問うと、由良はこの世の終わりのような顔をした。 「どうしたの?」 「何故、いきなり脇田さんですかっ」 「は? ……いや、単に用事があったから」 「今、廊下の向こうに北条さんの姿を見かけて。 ほんとうは急いで営業に行かなきゃいけなのに。 わざわざ、こっち向いて歩いてきたのにっ。 何故、脇田さんですかっ」 ……営業に急ぎなよ。