ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~

 ちょっと楽しみだ、と思いながら、
「村正さん、お料理得意なんですね」
と言ったが、

「いや、やったことはない」
と村正は言う。

「俺がやるわけないだろう」

 いや、そんなこと言われても、そもそも、『俺』がなにものなのか知らないんですが――。

「スマホでコツを調べて作ったのに決まってる」

「……私もやってみようかな」
とあやめはオムレツを見つめ、呟いたが、ムラマサは眉をひそめて言った。
 
「なんか……無理な気がする。
 なんでだろうな。

 家を片付けるのは上手いから、家事ができないわけでもなさそうなのに。
 手を使った細かい作業ができなさそうだからかな」