ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~

「四人で四畳半ですか。
 まあ、人間、起きて半畳寝て一畳って言いますもんね。

 むしろ、あまってる半畳がどうなってたのか、気になりますが」

「……座敷童でも座ってたんじゃないのか?」

 そんな感じの宿だった、と村正は言う。

「確かに教授が言った通り、いい思い出になった。
 狭い場所に、布団を自分たちでぎっしり敷いて。

 お互いの距離が近くなった気がして。
 なんかずっと話してたな」

 今でも、その話、みんなで会うたびに出るよ、と村正は言う。

 なんか全員、今ではすごい人になってそうですね。

 村正さんのお友だちだし。

 でも、こうして、大人になってから出会った人の昔話を聞くのって面白いな、とあやめは思った。

 全然違う場所で過ごしてきた人は、全然違う過去を持っているから。