村正は楽しそうなみんなを見ながら呟く。
「こんなにたくさん人がいて。
人の好みはそれぞれで。
もしかしたら、お前は人から見たら、たいした女じゃないのかもしれないが」
……なんでしょう、殴りたくなってきましたよ。
あやめはちょうど、よいしょと抱えたアイアンの椅子を見る。
振り上げるにはちょっと重そうだと思いながら。
「でも、なんでだろうな。
俺から見たら、お前はこの世界のどんな女でも代わりにならないくらい、すごい女なんだよ。
こんな女は他にいないと思う――」
……殴らなくてよかった、と思ったとき、村正が小首をかしげて付け足してきた。



