堀宮をあの広い寝室にひとり寝かせたあと、村正が、
「ちょっと外で呑み直さないか?」
と言うので、庭に出る。
村正は蚊取り線香をお洒落なアイアンのホルダーに入れ、ワインのボトルとともに持って出た。
「いい匂いですよね、蚊取り線香。
でも、昔、兄が知らない間につけてて。
リビングでうたた寝してた私は、煙の匂いを嗅ぎながら、ずっと火事の夢見てましたけどね」
と言うと、村正は笑う。
ライトアップされた庭の白い小さなテーブルの足元に村正は蚊取り線香を置いた。
椅子に座ったあやめに酒をついでくれる。
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