カウンターで一緒にお弁当を食べ、ワインを呑んだあと、村正が言った。 「よし、あやめ。 ムラマサになにか頼みたいことはないか」 あやめは空になったグラスと弁当殻を見る。 その視線を追ったあとで、村正はもう一度訊いてきた。 「ムラマサになにか頼みたいことはないか」 「……やりたくないんですね」 お片付けはしてくれないのか。 使えないな、ムラマサ、と思いながら立ち上がると、村正も立ち上がる。 「やるやる。 やるよ。 ムラマサだからな」