栄一郎を見送ったあと。
メイドさんたちが話しながら屋敷に戻っていくのを見つつ、村正が言う。
「いやあ、あの人がお前のお兄さんでよかった」
「え? 何故ですか?」
「ちょっと敵わないようないい人だ。
びっくりするくらいのイケメンだし」
いい人かな?
あなたがたまたま気が合うだけでは……。
まあ、メイドさんたちのラブコールも止まらないようなんだが。
とか思いながらも、まあ、身内を褒めてもらって、悪い気はしない。
今度お兄ちゃんに伝えておこう、と思ったとき、村正が言った。
「さっきのこと。
考えてみてくれないか?」



