栄一郎が帰るとき、ずらりとメイドたちが並んで見送った。
栄一郎はみんなに感謝の言葉を述べたあとで、村正の肩に手を置き、言う。
「村正くん、妹をよろしく頼むよ。
あれれなところも多い妹だが。
可愛いところもあるんだ。
私の沖縄土産の二千円札をいつも持っててくれたり」
ぼそりと村正が呟く。
「……隙あらば使おうとしているようにも見えますが」
「ところで、村正くん。
式はいつ頃になるのかな?
私は外務本省勤務なので、日本にいるから、結構融通はきくんだが。
決まったら、早めに教えてくれると嬉しいな。
ああ、それとも、二人だけで式をやるのかな?」



