大きなテーブルに、あやめと村正が並んで座り、その向かいに栄一郎が座った。 村正が小声で言ってくる。 「びっくりした。 立派なお兄さんじゃないか」 パリッとしたスーツ姿の兄は端正な顔と見栄えのする体格で。 確かに家にいるときとは別人だ。 「お兄さん、誰に似たんだろうな?」 と村正はあやめを見ながら、不思議そうに言う。 「……私が産んだわけではないので、私でないことは確かですね」 そのあと、美味しい食事とお酒でなんとなく話が弾んだ。