ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~

 もちろん、それも多少はあるのだが。

 ペコリーノチーズを名前が可愛いから買いたいと言ったあやめ。

 そして、そのあと、照れ笑いするあやめが可愛かったから、なんでもしてやりたくなって、買ったんだった。

 可愛かったのは、ペコリーノチーズじゃなくて、あやめだ。

 ……俺は、あやめが好きなのだろうか?

 村正は、ペコリーノチーズにより、ようやく、そのことに気がついた。

 村正はフロントガラスの向こうを真剣な顔で見つめ、呟く。

「……ペコリーノ」

 はい? とスマホでなにかをチェックしていたあやめがこちらを見た。

「ペコリーノ……」

「どうしたんですか? 突然。
 大丈夫ですか?」

 いきなり、チーズの名前を連呼しはじめる自分に不安を覚え、あやめが訊いてくる。