「ただいまー」 と二人は、焼き立てパンを手にマンションに戻ってきた。 だが、 「二十秒遅いっ」 と村正が文句を言う。 綺麗に片付いた家の中で、村正にパンの入った袋を渡しながら、あやめは言う。 「二十秒とか細かいですね」 「なにを言う。 俺なら二十秒もあったらいろいろできるぞ」 なにがいろいろできるんだ、とあやめが思ったとき、村正の後ろをフロアモップを手に小林が横切りながら言う。 「村正さん、時間の問題じゃありませんよ。 由良にそんな度胸はないです」