そういえば、クーラーかけたから、結局、窓、閉めっぱなしだな、と思いながら、あやめはベランダに出てみた。
向かいのマンションに視界を遮られ、村正の家の方角は見えない。
遅れて村正も出てきた。
「今頃、ユキコさんたちはどうしてますかね?」
「今日は夕食もいらないと言っといたから、みんな、のんびりしてるだろう」
「……あそこで豪勢に暮らしてたら、村正さんが私といる意味ないですよね」
でも、あまりにあそこの生活が楽しくて、とあやめは言う。
「ユキコさんたち、みんな親切で面白くて、大好きです。
でも、本来、私のような人間がいる場所じゃないし。
村正さんの役にも立ってないよな~って思うんです」



