「北条さん、今日、みんなで食べて帰りません?」
まだノートパソコンの画面を見つめていたあやめに、帰り自宅をしながら、由良がそう問う。
あやめは白い壁にかけられた、取引先の名前の入った丸時計を見上げ、
あ~、もうこんな時間かあ、と思った。
いつもなら、夕食作るのが面倒くさいから、すぐに、こういう話には乗るのだが――。
「あ、ごめん。
もしかしたら、アレク○が待ってるかもしれないから、今日は帰るね」
「そういえば、猫、飼いはじめたんでしたね」
いつ、ア○クサ、猫になった……と思ったが。
おそらく、
『犬ではない』
『もしかして、待っているかもという気まぐれさ』から判断し。
彼の中で勝手に猫になってしまったのだろう。



