ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~

 


 眩しい朝の光が差し込む部屋で、村正は目を覚ました。

 ちゃんとした部屋の中だ。

 何処だっけな?

 ……ああ。
 離婚した夫婦の旦那が監禁されていた部屋。

 いや、監禁されていたかは知らないが、何故か外から鍵がかかる部屋らしい。

 きっと、今朝の自分は野宿でもして、その辺の路地裏で目が覚めるだろうと思っていたのに。

 ちゃんとした部屋の中だ。

 ちょっとありがたいな、と思ったそのとき、スーツのポケットに入れてあったスマホが鳴り出した。

 着信を確認する。

 ……堀宮(ほりみや)か。

 まあ、出てもいいか。

「もしもし」
と言いながら、村正はカーテンが開いたままだった窓の側に立ち、外を見る。