ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~

「あの、」

 人間なんだよ、と言おうとしたとき、由良が矢継ぎ早に言ってきた。

「危険ですよっ、そんなアレ○サッ。
 警察に持ってくか、元の場所に返してくださいっ。

 きっと、北条さんの私生活を盗撮して、全世界に流す気ですっ」

「いや、なんのために……」

「販売されてたら、僕は買いますっ」

 何故かそう熱く主張してくる由良の後ろを、気のいいおじさん、野島が、

「お前も犯罪に加担してどうする」
と笑って通り過ぎていった。