ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~

 村正は何処かに電話する。

「若っ」
と男の声があふれ出してきた。

「何処にいるんですかっ、若っ」
「家」

「嘘ですっ。
 あやめ様のおうちにも、ご自宅にも、若はいらっしゃいませんよっ?」

「……何故、いないことを知ってるんだ。
 お前、俺のストーカーか?

 今、いるのは、普段は使っていない俺の家だ」

「それは何処なんですかっ?」

 何処なんですか、だよね。

 そもそも、普段使ってない俺の家って言葉、おかしいよな……。

 村正は、その誰だかわからない若い男の追求の電話にも、なんだかんだで長時間付き合ってあげていた。