ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~

 村正はカウンターの方を黙って見ていたが、ぽつりと言った。

「仕事中とか……

 無駄話嫌いなんだ。

 時間の無駄だとか思うのに。

 なんでだろうな。

 お前の無駄話は嫌いじゃない」

 そ、そうなんですか……。

「さっきのペンネームの話とか、頭に焼き付いて仕事の邪魔になると思うのに。

 思い出しては、何故だか、微笑ましい気持ちになる。

 語っているのがお前だからかな」

「……ありがとうございます。
 でも、村正さんは、誰の話も微笑ましく聞いてそうですよ」

 今日、一日一緒にいて思った。

 ユキコさんの話も、ユキエさんの話も、お義父さんの話も。

 例え、お小言でも。

 ちゃんと最後まで聞いてそうだ。

「ん?」
と村正がスマホを見た。

「着信してたな」