長い出張から戻ってきた脇田は土産片手にエレベーターから降りようとしていた。 美味かったな~、あそこのラーメン。 また出張にならねえかな、と思いながら、廊下に降り立ったとき。 五メートルくらい先にいたあやめが、 「あっ」 と小さく声を上げた。 なになに? 北条。 僕がいなくて寂しかったとかっ? とちょっとウキウキしながら、あやめに声をかけようとしたが、 「あっ」 と別の場所からも声が上がった。