吐く息は白く、厚着していても凍えそうで大嫌いなこの季節。

「あーもう寒いのはイヤ…早く春にならないかなぁ」

学校からのいつもの帰り道、そう呟く。

「じゃあ、俺が暖めてあげるから、うちにおいでよ」

隣を歩く幼馴染のヒロくんがのほほんと言い放ち、

「はい!?」

ギョッとして返す。

「俺の部屋、暖房よく効くし、今年の由利ちゃんの肖像画、そろそろ描き始めたいと思ってるんだ」

「あぁ、それね。恒例行事の…」

その恒例行事とは。