蓮は買って来た食材を部屋に運び入れながら、心菜を一旦ソファで休ませる事にする。

一通りの荷物を全て運び入れ、
お腹の張りは?水分は?汗はかいたか?着替えるか?と、矢継ぎ早にそう言いながら、ミネラルウォーターと着替えを持ってやって来た。

最近の蓮は誰が見ても度を超えるほど心配し、過保護に心菜を構い倒すから心菜としても困ってしまう。

「大丈夫、全然疲れてないよ。
それより早く作り始めなくちゃ、時間無くなっちゃうよ。」
心菜が立ち上がろうとすると、抱き止められて横に寝かされる。

「駄目だ、少し休んでろ。俺がサラダとスープは作る。昨夜もあんまり寝れなかったんだろ?
仮眠しないと夜まで持たない。」

有無を言わさないオーラを醸し出し諭すから、従わざる終えない。

「…分かった。少し休むね。」
不服そうな目を向けながら、それでも言われた通り目を閉じる。

そんな心菜に堪らず深いキスをする。
「…っん…」

突然のキスに翻弄されて、不覚にも心菜の心臓はドキドキと心地良く高鳴り出す。

ペロリと唇を舐められて、長いキスが終わった頃には、ボーっとした頭で知らないうちに蓮の首元に腕を回していた。

ハッとして慌てて手を離し、真っ赤になって両手で顔を隠す。

そんな、いつまで経っても初心のような反応が可愛くて、思わず笑みが溢れる蓮は、もっとこうしていたいと、欲する気持ちを無理矢理断ち切り、キッチンへと足を運ぶ。