蓮がL Aに来てから1週間が過ぎた。

心菜の悪阻も治りつつある、ある日。

いつものように心菜は朝からカフェのレジに立つ。

蓮はと言うと、あれからほぼ無給で忙しい時間帯は、心菜を助ける為カフェを手伝う。

そして空いた時間で不動産屋を周り2人の住まいを探す。

しかし、1つの問題が生じる。
とりあえず、6か月以内の長期観光ビザで来ている蓮は、自由に家を借りる事が出来ないと言う事。

日本で言うマンスリーマンションのような簡易的なアパートメントか、もしくはホームスティのような間借り。後は、長期ホテルに泊まるかの三択しか無い事を知る。

身重の心菜に精神的な負担までかけたく無い。
これまで見せてもらった簡易アパートメントは独身者が多く、気を使う面も多そうだと蓮は思う。

そして、蓮はついに見つける。

病院に比較的近い場所に、長期滞在型の借り家がある事を。

それはくしくも父の会社の長期出張用の社宅だった。

龍二から電話が来た際に、軽く家を探していると話したらLAに一軒社宅があると教えてくれた。

龍二が経営している会社は、父の会社の子会社で不動産をしているから、世界中に何軒か社宅として管理している家があるとの事だ。

今は誰も使って居ないと聞き、そこしか無いと決断する。

ここに来て父親に頼るのはいささか癪だが、心菜の為にも早く安心して住める場所を用意してあげたいと腹を括る。