「芽衣、好きだよ」

「……うん、私も好き」


私たちが想いを確かめ合ってから、約一か月。
最近は、いつもこんな感じだ。


樹くんは自分の気持ちを伝えてくれたときの約束を守るように、惜しみなく甘い言葉をくれる。


とはいっても、決してむやみに口にするわけじゃなくて……。今みたいに絶妙なタイミングで愛を唱え、私の心をくすぐってくる。


夜は当たり前に一緒に眠り、朝はこうしてキスを交わす。時間が合えば一緒に出勤したり退勤したり、食事もできる限り一緒に摂る。


おやすみのキスもするし、体だって重ねる。
忙しくても疲れていても、ふたりでいる時間を大切にするようになった。


前とあまり変わらないところもある反面、以前までとは全然違っているのだ。


だって、今はお互いを想い合っている。
それを伝え合い、わかり合っている。


彼と過ごす甘く優しい時間に心身ともに癒され、言葉にしがたいほどの幸せを感じていた。