「少し付き合ってもらうぞ。…ふ、ちょっとしたデートだ。手荒な真似はしない」
「!」
振り返ったわたしが見たのは、フードの中の、長いまつ毛に縁どられた切れ長の瞳。
わたしを見下ろすそのクールな瞳が微笑んで和らいだ瞬間、わたしの胸はまた、ドキッとしていた。
イケメンさんは、わたしを抱き寄せるように引っ張ったかと思えば、屈んで…。
「きゃぁっ!?」
お姫様抱っこを、する。
「女の足じゃ追いつかれる。しっかり掴まって、舌を噛まないように口を閉じてろ」
「えぇっ、そんな、困りま…っ!?」
す、と言う前にイケメンさんが走り出して、慌てて首に掴まった。
硬い体に“男の人”を感じて、ドキッとする。
わ、わたし、どこに連れて行かれるんだろ~!?