【短】イケメンすぎる大罪人さんを匿っちゃいました…

弁護士さんに手を差し出されて、わたしは落ち込みながらその手を取る。

檻の外に出ると、弁護士さんがこそっと耳打ちしてくれた。




「彼が、自分を悪者にして、倉山さんを早く出してあげてくれと。想われていますね」


「…!」


「倉山さんは彼に騙され、利用されていたということにしてあります。面会はできませんが…彼からの伝言が」




そんな、弥斗さんは悪くないのに…。

伝言って、なんだろう…?


眉を下げながら弁護士さんを見ると、弁護士さんは微笑んで目を伏せる。




「“しばらく会えないけど、元気で。無理に付き合わせて悪かった。なるべく早く出るから、待ってて”…と」


「弥斗さん…」




離れて入れられたから、どこにいるか分からないけど、檻が並んだ通路の奥を見る。