「ど、どうしよ~…!」
あ、そうだ、手芸屋さんに戻って聞いたらいいかも!
この排水溝を見失わないように、目印にエコバッグを置いて…。
って、お姉ちゃんのお誕生日プレゼントが入ってるのに、そんなことしちゃダメだよ!
うわぁ~ん、本当にどうしよう!?
エコバッグの持ち手を手首に通して、頭を抱えながら首を横に振る。
途方に暮れて、泣きたい気持ちで空を見上げると、2階建ての建物の屋上から、人が飛び降りてきた。
「わわっ!?」
危ない!!
立ち上がって咄嗟に手を伸ばしたわたしの5歩くらい先で、その人はダンッと着地する。
つなぎのようなグレーの服に、黒のジップパーカーを着て、フードを深く被ったその人は、とても背が高く…。
がっしりした体格に、平らな胸…あ、あれはまさか、“男の人”…!?
は、初めて会った…!



