「…それじゃ、ダメです。やっぱり、いつまでも隠れて、逃げたままなんて…!」
「詩伊?」
ダメだよ。
誰も、幸せになれない。
わたし、約束したもの。
弥斗さんを助けるって。
弥斗さんが普通の日常を送れるように、力を尽くすって!
****
「…出頭、ということか?」
つり目のお巡りさんが、口の端をひくひくとさせる。
わたしと手を繋いで隣に立っているのは、ぐしゃぐしゃに乱れた銀髪に、マスクと、百均で買ったサングラスをつけた弥斗さん。
遠目にわたし達を覗っているお巡りさんも沢山いる。
「はい!この通り行動を改めるので、弥斗さんのこと、許してください!」



