【短】イケメンすぎる大罪人さんを匿っちゃいました…

「いえっ、まだ平気です!…でも、隠れるのって大変だなぁって…」


「慣れないとそうかもな」




弥斗さんは残ったパンを口に押し込んで、フードの中でもぐもぐする。

こんな生活に、弥斗さんは慣れちゃったんだ…。




「詩伊のことは、俺が守るから大丈夫だ。それに、遠くに逃げればいずれ落ち着いた生活もできる」


「弥斗さん…」




ごくんとパンを飲み込んで、わたしに笑いかけてくれる弥斗さんに胸がドキッとする。

確かに、弥斗さんなら今まで何度も助けてくれたみたいに、わたしのことを守ってくれるんだろうな。

遠くに逃げれば…お姉ちゃんや、学校のみんなにはもう会えない。


イケメン罪がある限り、弥斗さんは素顔で気楽に生活することもできないし…。

落ち着いた生活って、わたしが隠れなくて済むようになるだけだよね?