昨日は弥斗さんの目を盗んで、パトロール中のお巡りさんに“イケメンさんは悪くない”ってお話ししたんだけど…。

イケメンさんを匿ってる共犯者として、問答無用で捕まえられそうになったから、今は大人しく逃げてる。

あのときも弥斗さんがわたしに気付いて逃がしてくれなかったら、警察署まで連れて行かれちゃってたもの。



パンを食べながら、弥斗さんに手を繋がれて路地裏を歩いていると、人のお話し声が聞こえてきた。




「最近ずっとパトカー走り回ってて落ち着かないよね~」


「大罪人でもなんでも、早く捕まってくれないかなぁ」




室外機の影に隠れるように、弥斗さんに抱き寄せられながらしゃがみ込む。

お姉さん達に見つかっちゃうかも、っていうドキドキと、弥斗さんに抱きしめられているドキドキで落ち着かない。





「詩伊、動かないで」


「は、はいっ…」