ベランダに出ると、弥斗さんはわたしを抱き寄せてお姫様抱っこをする。
言われるまま首に抱き着くと、弥斗さんは室外機に足をかけて、手すりの向こう側に飛び降りた。
「へっ、えっ、ここっ、さんかぃぃぃぃい!?」
「口閉じてないと舌噛むぞっ」
「はいぃっ!」
ぎゅっと、口も目も閉じて衝撃に備えると、ダンッと、いつかのように弥斗さんは着地する。
幸い、周りに人はいなかったみたいだけど、上から聞こえてくるお巡りさんの怒声から逃げるように、弥斗さんは走り出した。
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