「…っ、あのっ!イケメンさんって、悪い人じゃないと思うんです!」


「…ほう?」


「少なくとも弥斗さんは悪い人じゃありませんでしたっ。イケメンさんだからって、普通の生活ができないのはおかしいと思います!」


「バカっ」




前のめりになってお巡りさんに訴えかけると、後ろから弥斗さんの声がして、左腕を後ろに引っ張られた。




「わっ!?」


「貴様、藤間(ふじま)弥斗(やと)!やはり女を利用していたか!」


「逃げるぞっ」


「で、でもっ!」




腕を引っ張られるまま、リビングの方へ走って行く。

弥斗さんは走りながらパーカーのフードを被って、ベランダに続く窓を開けた。




「至急応援を!脱獄者、藤間弥斗を発見!至急応援をお願いします!」


「詩伊、掴まれ!」


「は、はいっ」