「よし、宿題終わり…!」




今日出された分の宿題を全部終えると、ぐーっと伸びをする。

はぁ~、と息を吐いてから、わたしは自分の部屋を出てリビングに向かった。




「あれ、弥斗(やと)さん…」




“テレビ見てる”って言ってたのに、どこ行ったんだろう。

きょろきょろ辺りを見回して、ソファーの前にも回り込むと、「わっ」と声が出る。

弥斗さんはソファーに寝転がって目を瞑っていた。




「弥斗さん?起きてください、そろそろ晩ご飯にしますよ」


「…」




ひじ掛けを枕にして寝ている弥斗さんは、綺麗な顔をしたまま動かない。

(まわ)りさんに怪しい人が見つかってるって教えてないとは言え、大罪人さんが呑気に過ごしすぎじゃないかなぁ…。