「それから、男を入れて安易に鍵をかけない方がいい…詩伊(しい)も逃げられなくなるぞ」


「えっ!?で、でも、お家に帰ったら鍵をかけるもので…!」


「ふっ…防犯意識がしっかりしてるんだか、してないんだか…まぁ、今回は例外だ」




弥斗さんはわたしを離して、廊下の奥に歩いて行く。

わたしはドキドキが残っている胸を押さえて息を吐くと、靴を脱いで弥斗さんの後に付いて行った。




「奥がリビングとダイニング、お部屋は玄関近くの2部屋で、おトイレと洗面所、お風呂は…」


「見れば分かる」




その言葉通り、弥斗さんは色んな扉を開け閉めしながらリビングに向かって行く。

そしてリビングに付くと、ぐるりと辺りを見回してフードを下ろした。

(あらわ)になったのは…。




「銀色の、髪…?」