「わたし、お母さんと2人暮らしだったんです。でも、2年前にお母さんが死んじゃって…今は1人」




15歳で1人暮らしをしている経緯を話しながら、玄関の扉を開ける。

「どうぞ」とここまで案内してくれた弥斗(やと)さんを招き入れた後は、習慣に動かされて、カチャ、と鍵をかけた。


去年まではお母さん違いのお姉ちゃんが一緒に住んでくれていたんだけど、1月に結婚して、4月には新しいお家にお引っ越ししたんだ。

1人暮らしを始めてから、かれこれ5ヶ月になるから、もう大分(だいぶ)慣れてきたんだけど。




「そうか…寂しくなったら、俺が抱いてやる」




靴を脱ごうと振り返ると、ぎゅ、と弥斗さんに抱きしめられる。




「わぁっ…!あ、ありがとうございます…っ」




優しくしてくれてるだけなのに、ドキドキしちゃうのはわたしが悪いのかな!?

ううん、それともそれがイケメンさんってこと…!?