“わたしをわすれないで”

“ぜったい、わすれちゃダメだからね”


私がぐちゃぐちゃに泣いた日。聞き逃してしまった彼の言葉はこれだったんだ。


“わすれ、ない……で”


“なずな、俺のこと忘れたの?”


昔のさくらちゃんと、今の佐倉さんの言葉が重なる。





《彼女には話していません。覚えていてくれたら嬉しいなという気持ちで会いに行って、結局彼女は覚えていなかったのですが。

こんなに思っているのが僕だけなのが悔しくて、意地悪して思い出すまで粘ってみたものの、呆気なく振られてしまいました。》

《え、そこは言いましょうよ!伝えましょうよ!》

《ですよね、意地張ってる場合じゃないですよね。なので最後の悪あがきでこの番組に出させていただきました。彼女が見てくれていたら嬉しいなと。18年も片想いするくらい、》