晴れて出自を完全に公にできたら見舞うと去年に言われているが、忙しくてまだ実現していなかった。
それを気にしてくれていて、今日はほんの少しの空き時間ができたので急遽母に会ってくれたのだろうか。
途端にクララはうろたえた。
半年前、過去の記憶を取り戻して王都に帰還した後、どうして川に落ちたのかを母に教えに行った。
これまで母が少年についてなにも教えてくれなかったのは、娘が怖い思いをした原因は彼にあると疑っていたためではないだろうか。
その誤解を解き、あの時の少年が今の夫だと伝え、運命的な再会を喜んでもらおうと思ったのに、母は浮かない顔をしていた。
川に落ちた直接の原因が彼でなくても、王太子に関わったせいではある。
その思いは変わらないようで、母親からすればなるべく危険から遠い場所で娘が幸せになってほしいと願うものなのだろう。
すべてを報告した後に、言わない方がよかったかと後悔したのだ。
(私のいないところで会われたらフォローもできない。お母さん、アドをどう思った……?)
不安は言葉にせずとも母に読まれる。
「大丈夫よ。お会いしてよかったと思っているの。クララを心から大事にしてくださっているのがよくわかったから。九年間、想い続けてきたんですって。一途な方ね。あなたが幸せな結婚をしてくれて嬉しいわ」
「お母さん……!」
それを気にしてくれていて、今日はほんの少しの空き時間ができたので急遽母に会ってくれたのだろうか。
途端にクララはうろたえた。
半年前、過去の記憶を取り戻して王都に帰還した後、どうして川に落ちたのかを母に教えに行った。
これまで母が少年についてなにも教えてくれなかったのは、娘が怖い思いをした原因は彼にあると疑っていたためではないだろうか。
その誤解を解き、あの時の少年が今の夫だと伝え、運命的な再会を喜んでもらおうと思ったのに、母は浮かない顔をしていた。
川に落ちた直接の原因が彼でなくても、王太子に関わったせいではある。
その思いは変わらないようで、母親からすればなるべく危険から遠い場所で娘が幸せになってほしいと願うものなのだろう。
すべてを報告した後に、言わない方がよかったかと後悔したのだ。
(私のいないところで会われたらフォローもできない。お母さん、アドをどう思った……?)
不安は言葉にせずとも母に読まれる。
「大丈夫よ。お会いしてよかったと思っているの。クララを心から大事にしてくださっているのがよくわかったから。九年間、想い続けてきたんですって。一途な方ね。あなたが幸せな結婚をしてくれて嬉しいわ」
「お母さん……!」



