「ううん、夫婦で決めていいって。男の子の名前は考え中なんだけど、女の子なら王太子妃殿下のお名前をいただいてクララにするわ」
(えっ、私!?)
「あら、妃殿下はパトリシア様でしょう?」
「お母さん知らないの? クララがファーストネームで、パトリシアはセカンドネームなのよ」
(違うけど、そういう風に誰かから聞いたのね)
真の出自が公にされたといっても文章で貼り出したわけではない。
民の間では口伝いに広まり、その情報は間違ってもいるようだ。
「隣の奥さんに聞いたんだけど、子供の学校で妃殿下が講演してくださったんですって」
娘が得意げに教えたことに、母親が不思議そうに問い返す。
「隣の子はお金持ちの学校に通っているの?」
「うちと同じ集合住宅に住んでいるのに、まさか。庶民の学校だよ。妃殿下のお母様が平民だから、下々の私たちにも関心を向けてくださるのよ」
「へぇ、庶子なんだ。そういうのは隠すのかと思ってた」
「堂々と口にする妃殿下はかっこいいわ。去年、視察旅行に行った際は海賊に襲われて、勇敢に戦ったらしいわよ。講演では学べることは幸せで大切にしてほしいって子供たちに仰ったそうよ。教材をたくさん寄付してくださったんですって。それを聞いて私、妃殿下のファンになったの。いつかお会いしてみたいわ」
(えっ、私!?)
「あら、妃殿下はパトリシア様でしょう?」
「お母さん知らないの? クララがファーストネームで、パトリシアはセカンドネームなのよ」
(違うけど、そういう風に誰かから聞いたのね)
真の出自が公にされたといっても文章で貼り出したわけではない。
民の間では口伝いに広まり、その情報は間違ってもいるようだ。
「隣の奥さんに聞いたんだけど、子供の学校で妃殿下が講演してくださったんですって」
娘が得意げに教えたことに、母親が不思議そうに問い返す。
「隣の子はお金持ちの学校に通っているの?」
「うちと同じ集合住宅に住んでいるのに、まさか。庶民の学校だよ。妃殿下のお母様が平民だから、下々の私たちにも関心を向けてくださるのよ」
「へぇ、庶子なんだ。そういうのは隠すのかと思ってた」
「堂々と口にする妃殿下はかっこいいわ。去年、視察旅行に行った際は海賊に襲われて、勇敢に戦ったらしいわよ。講演では学べることは幸せで大切にしてほしいって子供たちに仰ったそうよ。教材をたくさん寄付してくださったんですって。それを聞いて私、妃殿下のファンになったの。いつかお会いしてみたいわ」



