大量の武器を買い、大勢の傭兵を雇って領地の護りを厚くする。
戦争を起こすには多額の費用が必要だからだ。
「正しくは〝していた〟だろう」とアドルディオンが訂正する。
「ハイゼンから王太子暗殺を提案されるまでは。俺を事故死として葬り、次の国王をハイゼンが選んで意のままに操る。新国王に辺境伯領の独立を承認させると言われたのだろう。おそらくは辺境伯も騙されている」
王太子暗殺の罪を辺境伯ひとりに負わせて消した方が、ハイゼン公爵には都合がいい。
自分が関与していると知る者がいなくなるからだ。
王家には古くから忠誠を誓ってくれる味方の貴族が多くいる。
その者たち全員を敵に回せば、権力ある公爵といえども無事でいられないだろう。
これは暗殺に成功した場合の公爵の筋書きで、失敗した場合もやはり辺境伯ひとりのせいにして自分は無関係を装うつもりだったに違いない。
あらためて悪逆非道なハイゼン公爵の企みに恐怖した。
「サンターニュ港の商船の荷も検めるよう命じる。貴重な情報に感謝する」
公爵のへの怒りは相当だと思うがそれを顔に出さず、夫はどこまでも冷静だ。
ガスパロが初めて眉尻を下げ、弱気な口調になる。
「俺たちは魚を獲ったりブドウを育てたりして、ささやかに暮らしてぇのよ。独立国家も戦争も望んでねぇ。殿下、なんとかしてくれ」
戦争を起こすには多額の費用が必要だからだ。
「正しくは〝していた〟だろう」とアドルディオンが訂正する。
「ハイゼンから王太子暗殺を提案されるまでは。俺を事故死として葬り、次の国王をハイゼンが選んで意のままに操る。新国王に辺境伯領の独立を承認させると言われたのだろう。おそらくは辺境伯も騙されている」
王太子暗殺の罪を辺境伯ひとりに負わせて消した方が、ハイゼン公爵には都合がいい。
自分が関与していると知る者がいなくなるからだ。
王家には古くから忠誠を誓ってくれる味方の貴族が多くいる。
その者たち全員を敵に回せば、権力ある公爵といえども無事でいられないだろう。
これは暗殺に成功した場合の公爵の筋書きで、失敗した場合もやはり辺境伯ひとりのせいにして自分は無関係を装うつもりだったに違いない。
あらためて悪逆非道なハイゼン公爵の企みに恐怖した。
「サンターニュ港の商船の荷も検めるよう命じる。貴重な情報に感謝する」
公爵のへの怒りは相当だと思うがそれを顔に出さず、夫はどこまでも冷静だ。
ガスパロが初めて眉尻を下げ、弱気な口調になる。
「俺たちは魚を獲ったりブドウを育てたりして、ささやかに暮らしてぇのよ。独立国家も戦争も望んでねぇ。殿下、なんとかしてくれ」



