この一年間、つらいことばかりではなく、彼女とのお喋りはいつも楽しかった。妹ができた気分であれこれと世話を焼き、『逆です』と指摘されて笑い合ったこともあった。
やっと笑顔が戻ったら、エイミがホッと息をついた。
「私も家族が大切なので、お嬢様のお気持ちはよくわかります。旦那様のご命令はひどいと思いますけど、こうなったら頑張りましょう」
「そうよね。やれるだけやってみる。自信は少しもないけど、お母さんを守れるのは私しかいないから」
「こんなにおきれいなんですから、殿方の注目を浴びるのは間違いないです。王太子殿下のお目にもきっと留まるはずです」
「ありがとう。可能性はゼロではないわよね。奇跡を信じて、王太子殿下にお声をかけてみるわ」
決意に手を握りしめて立ち上がると、ドレスの裾がふわりと広がった。
落ち着いたサーモンピンクのドレスは背中や襟ぐりが広く開いて肌の露出が気になるが、夜会着とはこういうものらしい。
生地には刺繍が施され、レースがふんだんにあしらわれた豪華な逸品である。
髪を飾るのはルビーをはめ込んだ銀のヘアアクセサリーで、ネックレスと揺れるイヤリングは大粒の真珠だ。
父親が用意した豪華な衣装とジュエリーは自分に似合わないと感じ、いくら舞踏会といっても飾りすぎのような気もする。
やっと笑顔が戻ったら、エイミがホッと息をついた。
「私も家族が大切なので、お嬢様のお気持ちはよくわかります。旦那様のご命令はひどいと思いますけど、こうなったら頑張りましょう」
「そうよね。やれるだけやってみる。自信は少しもないけど、お母さんを守れるのは私しかいないから」
「こんなにおきれいなんですから、殿方の注目を浴びるのは間違いないです。王太子殿下のお目にもきっと留まるはずです」
「ありがとう。可能性はゼロではないわよね。奇跡を信じて、王太子殿下にお声をかけてみるわ」
決意に手を握りしめて立ち上がると、ドレスの裾がふわりと広がった。
落ち着いたサーモンピンクのドレスは背中や襟ぐりが広く開いて肌の露出が気になるが、夜会着とはこういうものらしい。
生地には刺繍が施され、レースがふんだんにあしらわれた豪華な逸品である。
髪を飾るのはルビーをはめ込んだ銀のヘアアクセサリーで、ネックレスと揺れるイヤリングは大粒の真珠だ。
父親が用意した豪華な衣装とジュエリーは自分に似合わないと感じ、いくら舞踏会といっても飾りすぎのような気もする。



