「夜になるとね、いっつもピーターパンが窓の外に遊びに来てくれるの!」

六歳の頃、先天性の心臓の病気で入院していた私は、よく両親にそう言っていたらしい。

両親は眠っている時に見た夢の中の話か、それともたまたま病室のベランダに羽を休めにきた鳥がそう見えたのかと思ったが、子どもの夢で溢れる世界を壊してはならないと否定することなく、「すごいね!ヘザーを応援しに来てくれたんだね!」と返していたらしい。その心の裏側には、同世代の友達と自由に遊べない私への同情もあったのだろう。

入院中の記憶は大人になった今は当然朧げで、そんなことを話していたのかと恥ずかしくなってしまう。

唯一、入院している時に覚えていることといえば、ベッドで安静にしていなくてはならず、両親によく「ピーターパン」や「眠れる森の美女」などディズニーの映画を見せてもらっていたことくらいだろうか。

素敵な魅力たっぷりのキャラクターが登場するディズニーが小さい頃からすごく大好き。プリンセスが登場する映画を観て、いつか私にも王子様が来てくれるんじゃないかと期待に胸を膨らませていた日もあったっけ。