異国の地で出会った財閥御曹司は再会後に溺愛で包囲する

「琉輝さん、今日はありがとうございました。お金は働いて返しますので」

「ごめんな。余計なことだったかもしれないけど、早く返済しておいたほうがよさそうだし」

「謝らないでください」

 隣を歩く琉輝さんがおもむろに私の手を取ってギュッと握った。

「翠々は助けて欲しくても我慢するタイプだろ? これからはなんでも俺に言えよ」

 もっと頼ってもいいのかな。彼の包容力を前にすると、どろどろに溶けるくらい甘えたくなってしまう。

「あれも……その場しのぎで言ったわけじゃないから」

「あれって?」

「結婚のこと」

 わざと意味深な表情をして顔を覗き込まれたので、私は胸をときめかせつつもオロオロと視線を泳がせた。

「プロポーズはちゃんとするから。期待してて」

 うれしくてたまらなくなった私はここが路上だということも忘れ、貼りつくように彼の胸にピタリと頬を寄せた。
 すると彼は私の頬に右手を添えて妖艶なキスを落とす。

「琉輝さん、大好きです」

「俺のほうが何倍も惚れてるよ。もう離さない」

 離れられないのは私も同じだ。
 こんなに魅力的で、私の心を揺さぶる人はほかにいないから。

 これからもずっと琉輝さんと一緒に生きていきたい。

 生涯をかけて愛する人に出会えたボストンは、私たちの思い出の場所。
 またいつかふたりで行けたらいいなと、彼の瞳に囚われながらそう思った。


――― END.