わかっては居たけれども、こうも言葉にされると、胸が痛い。
 ぽろりと涙が零れ落ちて、さぎりは慌てて涙をぬぐいながら、止まらない涙に、子狐が眠っていてよかったと安堵する。

 この四年間、外に出られない希海(のぞみ)に付き添い、ほとんどの時間を屋敷の中で過ごしていたから、大したことはないと勘違いしてしまったのだ。
 できるだけ鏡を見ないようにしてきたこともあるが、何より、優しい()の人が、さぎりを醜くないと言ってくれたから、さほど気にすることなく、ここまできてしまった。

 火傷があるから、身を売ることもできない。
 客商売も、難しい。
 そうすると、さぎりにできることはあるのだろうか。

 ……職探し、かなり苦戦する覚悟をしなければならないかもしれない。

 さぎりは唇を噛みしめ、もう一度、涙をぬぐった。